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2025

12.24

気候データから見る『フィラリア・マダニ予防期間』について

こんにちは、院長の仁位です。

本日は、フィラリア・ノミ・マダニの予防期間について、最新の気象データに基づいた重要なお知らせです。

4月から12月までの予防をおすすめしていたこともありましたが、それは2010年までの気象データを参考にしたものでした。

近年、福岡でも温暖化の影響を感じる機会が増えましたが、それは動物たちの健康管理においても無視できない変化となっています。

当院として、なぜ「通年予防(1年を通した予防)」を推奨しているのか、その根拠となるデータをご紹介します。

1. 蚊の活動期間の変化(フィラリア予防)

フィラリアを媒介する蚊は、一般的に気温が15℃を超えると活動し、15.6℃を超えると体内でフィラリア幼虫の感染が可能になるとされています。

これまでは「冬になれば気温が下がるため感染リスクはなくなる」と考えられてきました。

しかし、2023年の福岡の気温データを確認すると、状況が変わってきていることが分かります。

ご覧の通り、11月、12月になっても日最高気温の平均がリスクラインである『15.6℃』を超えて推移しました

また、2024年の秋も統計開始以来もっとも高い平均気温を記録しています

このデータは、福岡において「冬だから蚊はいない」という前提が崩れつつあることを示しています。

より確実にわんちゃんを感染から守るため、気温に左右されない「通年予防」が、安全な選択肢であると判断しています。

2. 冬のマダニとSFTS(人獣共通感染症)

マダニには多くの種類があり、その中には冬に活動する種類(フタトゲチマダニやキチマダニなど)も存在するため、1年中リスクがあります

特に近年、西日本を中心に警戒が必要なのが、マダニが媒介するウイルス感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」です

SFTSはマダニに咬まれたわんちゃんやねこちゃんだけでなく、飼い主様(人)にも感染し、亡くなってしまう可能性も高い病気です

2025年の国内の感染者数は過去最多135名(致死率27%、8月時点)と明らかに増加傾向が見られています。

また福岡県内ではこれまで37名の感染者が報告されており 、愛犬へのマダニ予防はご家族の健康を守る対策でもあります。

 

以上のデータに基づき、当院ではフィラリア・ノミ・マダニを1つの薬で対策できる「オールインワン製剤」による通年予防を推奨しております。

通年予防のメリット

  • 確実性: 飲み忘れや、気温変化による投薬期間のズレを防ぎます。

  • 混雑回避: 狂犬病予防などで混み合う春を避けてご来院いただくことで、待ち時間の短縮が期待できます。

  • 費用: まとめて処方の場合、お薬代が最大で15%割引となります(個数や支払い方法で割引率が異なります)

なお3ヶ月以内にフィラリア予防薬を投与していただいている場合は、体重の変化がなければお薬のみの処方も可能ですので、受付にお知らせください。

南町にい動物病院 院長 仁位 紀生